「旭川家具の魅力」

昨日まで旭川の家具展を視察してきました。

国内では数々の家具産地展や見本市がありますが、旭川の展示会の特徴は、3年に一度国際家具デザインコンペが開催されることです。

1990年に当時のカンディハウス社長の長原實氏が中心となり始められたこのコンペは、世界のデザイナーはじめ、旭川の家具メーカー、家具職人の発展に寄与してきました。

洗練されたデザイン、造形の技術は旭川家具ならではのものを感じます。

今回は683点の応募があり、そのうち25点が製作されていました。

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コンペティションの展示。

 

市場性、独創性、完成度、社会的要請、そして旭川家具の技術力の可能性というポイントが加味されて、選考されます。

実際に座ったりすることができないのは残念ですが、デザインの斬新さや加工技術の高さに驚く作品が今回も出展されていました。製作された家具の完成度が高いのも、旭川のメーカーならではだと思います。

過去のコンペ入賞作品も商品化されていますので、日本の家具を世界にアピールする意味でも、商品化を期待します。

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コンペ金賞のチェア。背からアームの形状が特徴。座ってみたかったですね。

 

 

各メーカーが出展する家具展では、40数社の出展があり、作り手のこだわりが感じられる家具たちが数多く出展されていました。国内や海外のデザイナーと組んで開発された家具もあり、見ごたえのある展示会でした。

実際に、石﨑家具の店舗で導入できるかどうかは、今後メーカーさんと話をしないといけませんが、お店にも新しい風を入れていきたいですね。

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カンディハウスの出展。チェアもベンチも座り心地が良かったです。

 

カンディハウスさんのショールームと、設立2年の若い会社ガージーカームさんの工場を見学し、夜には、取引のあるインテリアナスさんの懇親会に参加させていただきました。社員の方々やデザイナーの村澤一晃さんはじめ、インテリアナスさんとご縁のある岐阜、福岡県のメーカーの社長、取引先の販売店のオーナーさんなど交流を深めました。

インテリアナスさんは、もうすぐ社長交代し、30代の社員が社長として新たなスタートを切るとのこと。創業者がなくなられた後30年その会社を経営してきた現社長さんも、若い後継者に後を任せることに、今後の会社の将来を期待していました。

また、岐阜、福岡県から来られたメーカーの社長は、お二人とも女性で父親の会社を引き継ぎ、経営されているとのことでした。女性経営者が増えている時代を改めて感じました。

どのような方に後を引き継いでもらうかは、いつの時代も企業にとって重要な課題です。

まだ先のことですが、弊社も後で困らないように、人育てや経営基盤を強くしていけるように頑張っていきます。

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インテリナスのショールーム入口。味わいが出過ぎの感も。ですが、加工技術は優れています。

 

二日目は、インテリアナスさんはじめ、メーカーさんを4社まわり、そのうちARTREEで取り扱いのある北の住まい設計社さんでは、工場での職人さんの仕事ぶりも見学させていただきました。非効率的な作業環境、作業工程のかかる加工や塗装を経ての家具作りは、全て自然や人のことを考えての取り組みであることが、社内の一貫した考え方になっているのが感じられました。本当に素晴らしいメーカーだと思います。

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北の住まい設計社。古い小学校の校舎を使った工場。もともとは教室や体育館、用具室だった所が加工場になっています。

 

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伸長式テーブルに使われるレールのパーツ。とても精度よく加工されています。

 

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ヴィーナスの誕生の絵画にも使用されたという、卵の粉と顔料と亜麻仁油と水から作られるエッグテンペラという塗料で塗装されたソファ。塗装工程だけで4週間。お客様のもとへ届いて1年くらいかけて塗膜が定着するとのこと。

 

数年ぶりの旭川家具展で、日本の家具業界の未来と弊社の今後の展開に明るい希望を持って帰ってきました。(まだまだ紹介したい画像はありますが。この辺ですみません。)

投稿者: 石崎 雄世

1967年富山県南砺市福光生まれ。 1996年石﨑家具株式会社入社。 2009年より代表取締役社長。

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